モンテヴェルディ： 聖母マリアのための夕べの祈り　ガーディナー＝モンテヴェルディo，cho 他 （DECCA・2CD）

曲目・演奏者

●モンテヴェルディ：
聖母マリアのための夕べの祈り (晩課) (13曲)

■ジョン・エリオット・ガーディナー指揮 モンテヴェルディo　同cho　フィリップ・ジョーンズ・ブラスens　デイヴィッド・マンロウ・リコーダーens　ソリスバリー大聖堂少年聖歌隊　ジル・ゴメス，フェリシティ・パーマー(S)　ジェイムズ・ボウマン(C-T)　ロバート・ティアー，フィリップ・ラングリッジ(T)　ジョン・シャーリー- カーク(Br)　マイケル・リッポン(Bs)

ディスク・データ

CD// 海外盤 {ADD} DECCA＊411 572-2 (2枚組)
　発売：85年／録音：1974年／収録時間：47+53分
△羅語詞・独英仏訳掲載　△ディスク中心部の刻印＝MADE IN W. GERMANY BY PDO

コンディション

◇ディスク：1)B-/ スリキズ部分的にあり(強め含む＊動作確認済)，2)A-/ 点キズ少しあり / 内縁に細かいスリキズあり
◇ブックレット：A-/ 点キズ少しあり / 白地部分に変色あり(軽め)
◇プラケース：B+〜B　◇バック・インレイ白地部分に変色あり(軽め)

録音データ・その他

☆1974. 1 ロンドン・ハムステッド・セイント・ジュード教会における録音。(P) ジェイムズ・マリンソン、(E) K. ウィルキンソン，C. ムアフット。
−当アルバムは1968年に結成したモンテヴェルディ管 時代の録音。約10年後に改組してイングリッシュ バロック ソロイスツとしました。ガーディナーはイングリッシュ バロック ソロイスツ改組後の1989年、当曲 (6声のマニフィカトを含む全14曲) を ARCHIVに再録音し、この作品の代表的録音として広く親しまれているのは御存じのことでしょう。当演奏はそれより15年前の旧録音ですが、驚きました。そもそもピリオド楽器ではないようでモダン楽器の太く逞しい弦楽合奏が聞こえるではありませんか。またマンロウ、ジョーンズという腕っこきのアンサンブルを連れてきたため、それぞれが強く主張し、荒っぽいとまではいかないまでも、エネルギッシュでパワフルな演奏が繰り広げられています。合唱はさすがの腕前ですが、独唱者の歌唱法はやや統一感がないようで、後年 透明感と精緻さ、それでいて筋肉質な音楽を聞かせたガーディナーの演奏とは思えません。まだまだバロック唱法がごく一部の特殊技能であった時代だけに、名歌手たちがそれなりの歌唱であることは仕方ないというところでしょう。ガーディナーのスタイルを作り上げる過渡期の演奏と言えそうですが、それを分かったうえで聞けば、線が太く面白い演奏です。ピリオド演奏が好きではない方にはこちらのほうが親しみやすいのではないでしょうか。また新録音ほど速いテンポではないことは好ましいと感じられる方も少なくなさそうです。