ゴルトシュミット 管弦楽曲集 (6曲) ラトル,ゴルトシュミット(cond) 他 (DECCA)
曲目・演奏者
<退廃音楽>
●ゴルトシュミット:
[1] パッサカリア Op.4 (1925), [2]「間違いの喜劇」序曲 (1925)
[3] 交響的シャコンヌ (3曲) (1936)
[4]「クロニカ」(バレエ音楽) (1932〜85)
[5]「小さな別れ」〔1. よき正義,2. 3つの色,3. 最近の夜,4. 最後の詩〕(1994)
[6] ロンドー (ロシェ通り) (1995)
■[1,3]サイモン・ラトル,[2,6]ベルトルト・ゴルトシュミット指揮 [1-3]バーミンガム市so [6]ベルリン放送so シャンタル・ジュイエ(vn) [4]ヤコフ・クライツブルク指揮 ベルリン・コーミッシェ・オーパーso
[5]シャルル・デュトワ指揮 モントリオールso [5]フランソワ・ル ルー(Br)
ディスク・データ
CD// 海外盤 {DDD} DECCA*452 599-2
発売:96年/録音:1995年/収録時間:66分
△[5]仏語詞・独英伊語訳掲載
△ディスク中心部の刻印=MADE IN GERMANY BY UNIVERSAL M&L
コンディション
◇ディスク:B+〜B/ 小スリキズ部分的にあり(強め含む*動作確認済)
◇ブックレット:B+〜B/ 内部にシワ部分的にあり(強め含む) / 細かい波うちあり
◇プラケース:B+
録音データ・その他
☆[1-3]1995. 7 バーミンガム・シンフォニー ホール,[4,6]1995. 11 ケーペニック・フンクハウス ベルリン ナレーパシュトラッセ,[5]1995. 5 モントリオール・聖ユスターシュ教会における録音。(P) [1-4,6]ミヒャエル・ハース,[5]クリストファー・ヘイズル、(E) [1-3,5]ジョン・ダンカーリー,[4]スタンリー・グッドール,[6]フィリップ・シニー。
−ベルトルト・ゴルトシュミットはハンブルク生まれのユダヤ人作曲家 (1903- 96)。1925年 パッサカリア、1932年 オペラ「堂々たるコキュ」で名声を得たものの、ナチスの台頭により 多くのユダヤ人作曲家同様「退廃音楽」と批判され、作品の演奏が禁止されました。1935年 イギリスに亡命。その後も作曲を続けるも作品は注目されることなく、1958年には作曲の筆を断念してしまいます。しかし晩年 彼の音楽への関心が高まって作品の演奏機会に恵まれるようになり、1982年から作曲を再開。[5,6]は90歳を超えた時の作品で、作曲後 間もない頃の録音です。[5]はポール・エリュアールなどのフランス語の詩に基づくバルトンと管弦楽のための作品。
−[1]は微妙な調性感による不安の音楽。徐々に音量を上げていき、大管弦楽を充分に鳴らしたクライマックスとなります 。ウェーベルンのパッサカリア (1908年) にインスパイアされたのかと思いきや、本人はウェーベルンのパッサカリアを知らなかったと言っていたとのことです (6'46)。−[2]はシェイクスピアの同名の喜劇にインスパイアされたもの。明るく諧謔的ですが、素直なロマンティシズムではなく、モダンな味付けがあります (5'30)。−[3]はイギリス亡命後の作品。3部からなり、アレグロ − アンダンテ ソステヌート − ジーグ。諧謔と悲嘆の表情が同居しており、第2曲にはセンティメンタルなメロディも。終曲では諧謔から一転 悲劇的に変化します (12'40)。−[4]は反ファシストをテーマとするバレエ。1932年 2台ピアノ用で書かれ、1958年に管弦楽化、1985年に最終的な形となりました。8つの部分からなり、I: イントラーダと軍隊行進曲, II: パッサカリア (監獄の庭), III: ロンディーネ (ダンスホールの場), IV: カンティレーナ, V: スケルツォ (プロパガンダ), VI: 幕間劇, VII: カノン, VIII: カプリッチョ (フィナーレ)。劇場用の音楽らしく曲想の変化や かなりの平明さがありますが、モダンな和声など ゴルトシュミットらしさを失っていません (21'14)。−[5,6]は晩年の作品。[5]はポール・エリュアール (第1, 3曲)、クレマン・マロ (第2曲)、ロベール・デスノス (第4曲) の詩に付曲したもの。各曲は短く 合計8'48。調性の微妙さは変わりませんが、オーケストレイションが幻想的で、ややロマンティックな雰囲気に。−[6]は単一楽章の短いヴァイオリン協奏曲 (10'48)。なんでもゴルトシュミットがデュトワ、ジュイエとパリのロシェ通りで食事をしていた時に気づいた偶然に触発され、“Roe du Rocher” の名を音符に変換し作り上げたとのことです。静かで悲し気なヴァイオリン・ソロで始まるムーディーな冒頭は大変印象的。やや軽妙に展開しますが、オケの編成は小管弦楽のようで、様々な楽器がヴァイオリンにまとわりつき、色彩の豊かさを聞かせます。
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