マルタン：小協奏交響曲，7管楽器の協奏曲 他　ジョルダン＝OSR 他 （ERATO）

曲目・演奏者

●マルタン：
[1] 小協奏交響曲
[2] 「イェーダーマン」からの6つのモノローグ
[3] 7つの管楽器, ティンパニと弦楽のための協奏曲

■[1]エヴァ・ギベンティフ(hp)　クリスティアーヌ・ジャコテ(cemb)　ウルスラ・ルッティマン(p)
[2]ジル・カシュマイユ(Br)
[3]ジャン- クロード・エルメンジャット(fl)　ジェローム・カペイユ(ob)　ミシェル・ウェストファル(cl)　ロジェ・ビアンスティングル(fg)　ブルーノ・シュナイダー(hrn)　イヴ・ギゴウ(tb)　ステファン・ジャンダール(tp)　イヴ・ブルストー(timp)
[1-3]アルミン・ジョルダン指揮 スイス・ロマンドo

ディスク・データ

CD// 海外盤 {DDD} ERATO＊2292-45694-2
　発売：91年／録音：[3]1989, [2,3]91年／収録時間：63分
△[2]独語詞・仏英訳掲載　△プラケース＝ハード・タイプ

コンディション

◇ディスク：A-/ 小スリキズ少しあり / レーベル面にスリキズ少しあり
◇ブックレット：A-〜B+/ シワ少しあり / 裏表紙上辺, 内部数ページの下辺にに強いツメ咬み痕あり / 白地部分に軽い変色あり
◇プラケース：B+　◇バック・インレイ白地部分に軽い変色あり

録音データ・その他

☆[1]1991. 1，[2]1991. 6，[3]1989. 12 以上ジュネーヴ・ヴィクトリア ホールにおける録音。(P) ミシェル・ガルサン、(E) [1,2]ジャン・シャトレ，[3]ジャン- クロード・ガベレル。
−[1]はハープ, チェンバロ, ピアノと弦楽オケのための協奏交響曲。1945年作曲。一気に気に入ってしまいました。なんと洒落たかっこいい音楽。不穏な気分の長い序奏のあと、3つの独奏楽器による軽妙な音楽。ジャン・フランセのチェンバロ協奏曲を思い出しました。バロック あるいは古典の形式に、フランスらしい洒落た響き (マルタンはスイス出身ですが)、あるいは当時のモダンな作風を取り入れた感じで、高度な擬古典派という感じがします。とはいえ短調で実は暗い。“ニヒル” な雰囲気も感じます。3つの独奏楽器はロマン派のような主役的なソロではなく、あくまでバロックの協奏曲のような扱い。3つの楽章は続けて奏され、第3楽章は「行進曲風」となっていますが、それよりもジャズっぽいリズムと感じます。いや、なんとも楽しい曲です。
−[3]7つの管楽器, ティンパニと弦楽のための協奏曲は1949年作曲。[1]の姉妹編のようでもありますが、抽象化が進んでおり、グロテスクな感じもします。またそれぞれの楽器の見せ場があるなどソロ楽器の活躍が顕著。
−[2]「イェーダーマン」より6つのモノローグは歌曲。1943年作曲。｢ばらの騎士」など R. シュトラウスのオペラの台本を手掛けたオーストリアの劇作家 フーゴ・フォン ホーフマンスタールの演劇による作品で、薄情なお金持ちが死神を前にして、善行や信仰を思い出させられ、死に就くという話。あらすじだけ聞くと寓話的で、やや諧謔的にも感じますが、音楽はいたって真剣。それこそR. シュトラウスの「影のない女」なんかを思わせます。カシュマイユも健闘していますが、F- ディースカウならもっと鮮烈な歌唱を聞かせるだろうと思ってしまいました (録音を残しています)。
−当アルバムは2000年、スイスCASCAVELLEレーベルから再発されました。このオリジナル盤と似たジャケット・デザインでした。スイスの作曲家、スイスのオケによる優れたアルバムということで販売権を買って発売したのでしょう。もともとERATOとは関係の深いレーベルです。
−画像2枚目にバック・インレイを掲載しました。各楽章の速度・発想標語やタイムなどを確認ください。