ユリア・ハマリ(A)　ジプシーの歌 (ドヴォルザーク, ブラームス 他) （PAL1036）

曲目・演奏者

●[1] リスト：3人のジプシー
[2] ドヴォルザーク：ジプシーの歌 Op.55 (6曲)
[3] ブラームス：ジプシーの歌 Op.103 (8曲)
[4] ハンガリーのジプシーの歌 (6曲)　※曲目詳細はふたつ目の画像参照願います

■ユリア・ハマリ(A)　フーベルト・ギーゼン(p)

ディスク・データ

CD// 国内盤 {ADD} Cr−パレット＊PAL-1036
　発売：87年／定価：3200円／録音：1968年／収録時間：43分
△歌詞対訳掲載　△ライナーノート：三谷礼二　△バック・インレイに曲目等を記したシール貼付 (ふたつ目の画像参照)　△オビはプラケース両面で貼付　△プラケース＝ハード・タイプ

コンディション

◇ディスク：A-/ 点キズ少しあり
◇ブックレット：B〜B-/ シワ部分的にあり(強め含む) / 薄汚れ部分的にあり
◇プラケース：B
◇オビ：B/ シワ部分的にあり / 背表紙上部に傷み少しあり / 小ハゲ少しあり / 軽い変色あり

録音データ・その他

☆1968年 シュトゥットガルトにおける録音。
−ハマリはハンガリーのアルト歌手 (1942- )。ブダペスト生まれ。1964年 ブダペストのエルケル記念国際コンクール入賞。1966年 ウィーンでカール・リヒターに起用され バッハのマタイ受難曲を歌いデビューしました。その後 主にコンサート歌手として活躍しながらオペラでも活躍。意外なことに「カルメン」も演じたとのことです。録音も宗教曲に参加する形で多く残しました。当アルバムは珍しい歌曲集。
−[1-3]はもともとドイツ語の歌曲で、ハマリもドイツ語で歌っています。ハンガリー・ジプシー (ロマ) 情緒を取り入れた歌曲の数々は、民謡調の平明さとともに、異端者の怪しさ、色濃い悲しみがあり、親しみやすい。[3]のブラームスは時にハンガリー舞曲集を思い出させもします。しかしこれらの曲で最も有名なのは [2]の第4曲「母が教えてくれた歌｣。あまりジプシー感を感じない曲ですが、最後の部分の「涙が褐色の頬を…」という歌詞はジプシーの肌の色を表しているわけですね。その次の「弦の調子を合わせて」などは、テンポの変化が続くことともにまさしくジプシー調全開です。
−最後に6曲の民謡が置かれていますが、やはり大作曲家による作品よりも生々しさを感じます。ピアノはツェンバロンなど民族楽器を模しているようです。原曲についてや編曲者などは明記されていません。歌詞対訳の原詞の部分はドイツ語が記載されていますが、歌はドイツ語ではありません。ハンガリー語、あるいはハンガリー・ジプシー語というものがあるのでしょうか。終曲は鐘のようなピアノの強い打鍵に驚かされますが、極めて陽気な速い舞曲。ゴキゲンな曲でアルバムを終えています。
−ハマリは美声と豊かな声量を駆使して楽しませてくれます。もっと大きく表情の変化を与えることも考えられるでしょうが、クラシックの格調の中での表現というところでしょう。民謡では少しくだけた表現を聞かせています。
−音質良好。原盤については書かれていませんが、当盤と同年 クラウンのパレット・レーベルから発売された、当盤と同じシュトゥットガルト録音 (1981年) のドイツ歌曲集同様 ドイツ INTERCORDレーベルかもしれません。

−なお当盤のバック・インレイには曲目表記に誤りがあったため、プラケースの上に正しい表記のシールが貼ってあります。ふたつ目の画像参照ください。