▽ロッシーニ：タンクレーディ　Rアバド＝MRO；カサロヴァ(MS) メイ(S) 他 /L （RCA・3CD）

曲目・演奏者

●ロッシーニ：
「タンクレーディ」全曲

■ヴェッセリーナ・カサロヴァ(Ms：タンクレーディ)　エヴァ・メイ(S：アメナイーデ)　ラモン・バルガス(T：アルジーリオ)　ハリー・ペーテルス(Bs：オルバッツァーノ)　メリンダ・パウルセン(Ms：イザウラ)　ヴェロニカ・カンジェーミ(A：ロッジェーロ)
　ロベルト・アッバード指揮 ミュンヘン放送o　バイエルン放送cho

ディスク・データ

CD// 海外盤 {DDD} RCA＊09026 68349-2 (3枚組)
　発売：96年／録音：1995年／収録時間：74+67+67分
△紙箱付き(▽厚さ3.3センチ)　△大判ブックレット付き(161ページ)　△伊語詞・英独仏訳掲載
△ディスク＝Made in the EC

コンディション

◇ディスク：1)A〜A-/ 点キズわずかにあり，2)A〜A-/ 外縁にスリキズ少しあり，3)A
◇ブックレット：A-〜B+/ コンテンツ部分に書き込みあり(赤と黄のペンによる丸印とライン)
◇プラケース：B+　◇紙箱：B+/ 線キズ部分的にあり / 上辺端部分的に小ハゲあり

録音データ・その他

☆1995. 7 ミュンヘン・バイエルン放送局第1スタジオにおけるライヴ録音。(P) トルステン・シュライアー、(E) ペーター・ウルバン。
−「タンクレーディ」はロッシーニのオペラ第10作、初のオペラ セリアでした。ヴェネツィアのフェニーチェ歌劇場の委嘱を受けて書かれ、この作品の成功によってロッシーニの名はイタリア中に轟くこととなりました。原作はヴォルテール。舞台は11世紀初頭のシラクサ。国王アルジーリオは、娘アメナイーデを敵対していたオルバッツァーノに嫁がせ、共同して敵国サラセンに立ち向かおうとする。しかし彼女はサラセンの将軍タンクレーディと恋仲だった。無理矢理開かれた結婚式で彼女はオルバッツァーノとは結婚しないと宣言して糾弾される。しかも運悪く、同じサラセンのソラミールとの仲をタンクレーディに誤解されてしまう。さてふたりの運命やいかに…。−ロッシーニはタンクレーディが死ぬ原作と異なり、ハッピーエンドで終わらせなければいけないという当時のフェニーチェ劇場の慣習に従ったことに疑問を感じ、フェラーラでの上演の際は原作どおりに悲劇版として発表しました。ところがそれが不評に終わったためハッピーエンド版に戻されて現在に至っています。当録音は [DISC-3] に改訂版フィナーレ、その後 初演版フィナーレを収め、さらに第10曲 アメナイーデのカヴァティーナと、第3曲 タンクレーディのレチタティーヴォとカヴァティーナの異版を収めています。−なお当オペラは主役タンクレーディに女性歌手をあてたことが大きな特徴。当時 フランス革命の影響を受けてカストラート歌手が歌劇場から追放されたものの、テノールはまだ主役を張るには未熟な状態であったため、コントラルト歌手を使うことにしたとのことです。
−単独で取り上げられる名曲 第1幕 第3曲 タンクレーディ登場のカヴァティーナ「君はわが心を燃え上がらせ」をはじめとして、ふたつのアメナイーデとタンクレーディの二重唱、第1幕 第5曲「あなたを取り巻く大気は｣、第2幕 第14曲「ほっといてくれ 聞く耳は持たぬ」など魅力曲満載。またのちのロッシーニの名作の原型がこのオペラにも聞かれるのも楽しい。
−演奏もなんと見事なことか。カサロヴァ、メイ、そしてバルガスら 当時の活きのいい若手は、くせなく美しい歌唱で、感情表現にも優れており、加えてロッシーニ歌唱の技術をしっかりと身に着けています。−クラウディオ・アッバードの甥っ子 ロベルトのオペラ指揮者としての実力を初めて知りました。リズム感とテンポ感よく、オケを雄弁、鮮やかに鳴らし、ダイナミクスを作るのが巧み。まだまだ知られざるオペラであるこの曲の魅力を十二分に聞かせてくれます。なお彼は当時 ミュンヘン放送響のシェフをつとめていました (1992- 98)。−なおレチタティーヴォ・セッコはチェロとコントラバス、チェンバロによっており、“セッコ (乾いた)” でなくしっとりと潤いがあるのがいい。チェンバロと記載がありますが、どう聞いてもフォルテピアノです。

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