ベートーヴェン：交響曲第9番，カンタータ 他　オーマンディ＝Phla，シッパース＝NYP 他 （SB2K63240・2CD）

曲目・演奏者

●ベートーヴェン：
[1] 交響曲第9番 Op.125 (コラール)　§
[2] 合唱幻想曲 Op.80
[3]「ああ 不実なる人よ」(コンサート・アリア) Op.65
[4] 皇帝ヨーゼフ2世の葬送カンタータ WoO.87
[5]「静かな海と幸運な航海」(カンタータ) Op.112

■[1]ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィアo　モルモン・タバナクルcho　ルチーネ・アマーラ(S)　リリー・チョーカシアン(MS)　ジョン・アレグザンダー(T)　ジョン・マカーディ(Bs)
[2]レナード・バーンスタイン指揮 ニュー ヨークpo　ウェストミンスターcho　ルドルフ・ゼルキン(p)
[3,4]トーマス・シッパース指揮 ニュー ヨークpo　[3]レジーヌ・クレスパン(S)　[4]カメラータ シンガーズ　マルティナ・アローヨ(S)　フスティーノ・ディアス(T)
[5]ピエール・ブレーズ指揮 ニュー フィルハーモニアo　ジョン・オールディスcho

ディスク・データ

CD// 海外盤 {ADD} SONY＊SB2K 63240 (2枚組)
　発売：97年／録音：[1]1964, [2]62, [3,4]65, [5]68年／収録時間：68+71分
△エッセンシャル クラシックス・シリーズ・テイク2　△スリムケース・タイプ　△歌詞掲載なし
△ディスク＝Made in Austria

コンディション

◇ディスク：1)B+/ スリキズ部分的にあり(小さめ / 強め含む＊動作確認済)，2)A-〜B+/ スリキズ少しあリ(強め含む＊動作確認済)
◇ブックレット：A-/ 内部白地部分に軽い変色あり
◇プラケース：B+

録音データ・その他

☆[1]1964. 9 フィラデルフィア ホテル，[2]1962. 5，[3,4]1965. 2 以上NY・マンハッタン センター，[5]1968. 12 ロンドン・アビー ロード・EMIスタジオにおける録音。
−[1]は1961〜66年で完成させた同コンビによるベートーヴェン交響曲全曲録音からの1曲。−[2]のオリジナルはピアノ協奏曲第3番とのカップリング。ゼルキンは1962〜65年 ベートーヴェン：ピアノ協奏曲全曲録音を完成させました。指揮はバーンスタインとオーマンディで分け合う形でした。−[5]のオリジナルは、いろいろと物議をかもした交響曲第5番のフィルアップであったもの。
−当アルバムはなんといっても、シッパース&NYPによる[3,4]の収録が嬉しいところ。この2曲がオリジナル・アルバムです。国内CDでは発売されたことがないのではないでしょうか。−[3]は有名曲ですが、[4]が珍しい。ボンの宮廷音楽隊のメンバーだった19歳のベートーヴェンが 皇帝ヨーゼフ2世の崩御に際して作曲したもの (1790年)。ただし生前に演奏されることはありませんでした。「レオポルド2世の戴冠式のためのカンタータ」とともに、その充実した内容はベートーヴェンの師ネーフェらを驚かせ、ベートーヴェンがウィーンに出るきっかけとなりました。−当曲は 1. 合唱と独唱, 2,3. バスのレチタティーヴォとアリア, 4. ソプラノの合唱付きアリア, 5,6. ソプラノのレチタティーヴォとアリア, 7. 合唱と独唱 からなり、“栴檀は双葉より芳し”、情感的な曲、巧みな劇的効果、素晴らしい作品です。一部が「フィデリオ」のフィナーレに使われたとされていますが、4のメロディのことでしょう。合唱の神の正義を賛美する部分に似ています。また第1曲冒頭 (あるいは終曲の) の陰鬱な主題も「フィデリオ」第2幕冒頭 (フローレスタンのアリアの) に似ています。−シッパースの指揮は雄渾。アメリカ出身の指揮者として将来を嘱望されながら、1977年 47歳で亡くなったシッパースの貴重、かつ優れた演奏です。
−ベートーヴェンの声楽曲が集められたこのアルバム、特に[5]は音がスカッとしないのは残念ながら、その[5]以外は1960年代のアメリカの楽壇の活力、華やかさが感じられるのもいいですね。