ヴェルディ：ファルスタッフ　バーンスタイン＝WP； Fディースカウ(Br) 他 （外SONY・2CD）

曲目・演奏者

●ヴェルディ：
「ファルスタッフ」全曲

■ディートリヒ・フィッシャー- ディースカウ(Br：ファルスタッフ)　イルヴァ・リガブエ(S：アリーチェ)　ローランド・パネライ(Br：フォード)　グラツィエッラ・シュッティ(S：ナンネッタ)　フアン・オンシーナ(T：フェントン)　レジーナ・レズニク(MS：クィックリー)　ヒルデ・レッスル- マイダン(MS：メグ)　マレイ・ディッキー(T：バルドルフォ)　エーリヒ・クンツ(Br：ピストーラ)　ゲアハルト・シュトルツェ(T：カイウス)
　レナード・バーンスタイン指揮 ウィーンpo　ウィーン国立歌劇場cho

ディスク・データ

CD// 海外盤 {ADD} SONY＊88843058382 (2枚組)
　発売：14年／録音：1966年／収録時間：56+67分
△歌詞掲載なし　△ディスク＝MADE IN THE EU

コンディション

◇ディスク：1)A-/ 小スリキズ少しあり(強め＊動作確認済)・外縁から，2)A-/ 小スリキズ少しあり
◇ブックレット：A-〜B+/ 内部に軽シワあり / 裏表紙に細かい薄汚れ少しあり
◇プラケース：B+

コンディション

☆1966. 3 ウィーン・ゾフィエンザールにおける録音。(P) エリック・スミス、(E) ゴードン・パリー，ジェイムズ・ブラウン。
−1966年 大成功を収めたウィーン国立歌劇場での公演 (ヴィスコンティ演出) 直後に同一キャストで録音されたもの。これがCBSのバーンスタインとDECCAのウィーン・フィルによるバーター録音のキッカケでした。−バーンスタイン初のオペラ録音で、唯一のヴェルディとなったもの。それが「ファルスタッフ」というのは意外な気がしますが、基本的に速いテンポに設定し 大変な勢いと活力で、このドタバタ喜劇を鮮やかに賑やかに描いています。開幕の1音目から違う。時に大胆なアゴーギクを用いるのも特徴的ですし、また第1幕第2場最後の風船が爆発するような音の効果などにも バーンスタインの非凡な才能を聞くことができます。それらはイタリア伝統のやり方とは別のもので (歌手が歌いにくいことを厭わない)、あたかも若武者のイタリア・オペラへの挑戦のよう。 また よくぞ あのウィーン・フィルからこんな音を引き出したものと感心してしまいますが、ウィーンの伝統への挑戦でもあったことでしょう。
−F- ディースカウのファルスタッフはやはりまったく柄に合っていないのですが、さすが20世紀最高のバリトン歌手。抜群な歌のウマサと巧みな表現力で聞かせます。リガブエ、パネライはともにそれぞれの役を得意にしているだけあって優れています。−面白いのは脇を固めるヴェテラン勢が決して昔から歌っていたわけではなさそうな役を歌っていること。特にドイツの性格的テノールで 化け物役(?) を得意としたシュトルツェのカイウスはケッサクで、カラヤン新盤のデ パルマの上品なカイウスとは対極にある感じ。またミスター・ウィーン クンツの 他で聞くことのできないようなトボけた ピストーラも聞きものです。ドイツ勢にところどころドイツ訛りが聞かれるのはご愛嬌。−総じてこのオペラのセカンドチョイス以降にはお勧めしたい、個性的な魅力の詰まった録音です。